• HOME
  • COLUMN.3 がんの検査

column.3 がんの検査

がんリスクの測定方法

遺伝子検査

遺伝子レベルで、体のがんリスクが評価できるよう開発されたのが遺伝子検査CanTectです。CanTectは、株式会社ジーンサイエンスによって提供されている、がんリスクを評価するための商品です。正常細胞の「がん化」に関与する遺伝子の活性状況を調べ、画像診断では発見不可能な微細ながん細胞の存在リスクを超早期に評価するものです。がん細胞から血液に遊離されるDNA、mRNA等を解析し、がん細胞が成長しにくい体か、あるいは成長しやすい体の状態なのかを0から100の数値で評価し、がんリスク値を判定し、これにより、がんが見つかる大きさに成長する前に生活習慣の改善によってがんになりにくい体をつくることや、がんの早期発見のための検診を受けることを促します。
また、がん治療後のがん再発リスクの評価にも使われ、がん治療後、定期的な遺伝子検査により、「がんが再発にむかって進行しているのか、改善されつつあるのか」をリスク評価し、個々人の状態にあった再発防止指導に有用な情報を提供します。

がんの検査方法

PET検査

PETは、陽電子放射断層撮影(Positron Emission Tomography)の略です。がん細胞が正常細胞に比べて3~8倍のブドウ糖を取り込む性質を利用するもので、ブドウ糖に近い成分を体内に注射し、全身をPETで撮影します。ブドウ糖が多く集まるところがあれば、早期にがんを発見する手がかりとなります。従来のレントゲンやCT、MRIなどの検査は、写し出された造形からがんを見つけますが、PETはこのように細胞の性質を調べてがんを探しだすものです。そのため、従来のCT検査やMRI検査、超音波検査では見つけることが難しかった場所に発生したものや、小さいがん細胞でも見つけることが可能になっていますが、部位によっては反応が出にくいがんもありますので、万能というものではありません。

CT検査

CTは、コンピューター断層撮影法(Computed Tomography)の略です。身体にエックス線を照射し、通過したエックス線量の差をデータとして集め、コンピューターで処理することによって身体の内部を画像化する検査です。エックス線の透過性が病変と正常部位とで異なるため、CT検査によって病変が描出されます。このCTの形態画像とPETの機能画像をあわせることにより、より信頼性の高い検査を行うのがPET-CTです。

MRI検査

MRIは、磁気共鳴画像診断装置(Magnetic Resonance Imaging)の略です。強力な磁石でできた筒の中に入り、磁気の力を利用して体の臓器や血管を撮影する検査です。エックス線を使いませんので、PETやCTのような被曝のリスクはありません。脳の中や脊椎など、比較的CTが苦手とする部分の断面画像を撮影することができます。

腫瘍マーカー

体内にがんができると、健康的な人体にはあまり存在しない特異的な蛋白が大量につくられ、血液中に出現してきます。これを「腫瘍マーカー」といいます。腫瘍マーカーは、がんの発生臓器と強い関連性を持つ特徴があるため、血液中にこの蛋白が基準以上に出たときは、がんがあることが推測されます。ただ、腫瘍マーカーが陽性だからといって必ずがんがあるわけではなく、反対に陰性だからといって完全にがんが否定できるわけではありません。よって、がんの早期発見を目的とするよりも、主としてがんを診断していくうえのひとつの補助的な検査、あるいは治療していく上での経過観察の検査としての意味合いが強くなっています。

センチネルリンパ節生検

センチネルリンパ節とは、リンパ管に入った乳がんのがん細胞が最初にたどりつく腋窩リンパ節のことです。手術の前に乳がんの近くにラジオアイソトープあるいは色素を局所注射し、これを目印にして手術中にセンチネルリンパ節を探しだして摘出し、このリンパ節にがんが転移していないかどうかを調べるものを、センチネルリンパ節生検といいます。術中に、センチネルリンパ節にがん細胞の転移がないと判断された場合は、リンパ節の切除の回避が判断でき、関連機能の温存が図られるメリットがあります。

ダブルバルーン内視鏡検査

2つのバルーンにより、挿入が非常に困難だった小腸にスムーズに入れることができるように開発された内視鏡です。これにより、小腸の全観察が可能となり、小腸の腫瘍や炎症、血管性病変など、胃や大腸とは異なった疾患を早期発見・治療することができるようになっています。

マンモグラフィー

マンモグラフィーは、乳房専用のX線撮影装置です。乳がんの初期症状である微細な石灰化や、セルフチェックではわかりにくい小さなしこりなどを検出することができます。

ERCP検査

ERCPは、内視鏡的逆行性胆管膵管造影法(Endoscopic Retrograde Cholangio-pancreatography)の略称で、総胆管に内視鏡を挿入して、その先に付いた細いチューブ胃から造影剤を注入し、胆道系、膵管を直接造影(エックス線撮影)する検査です。膵臓がんの発見には、高い効果が期待できます。

マルチヘリカルCT

瞬時に4断面(スライス)が同時に撮影できるマルチスライス技術を搭載したCTです。より薄いスライスの画像をより短時間で撮影できることがその特徴です。

超音波検査

人間の耳には聞こえない高い周波数の音波を体に発信し、そこから返ってくる反射波をコンピューター処理で画像化して診断するのが超音波検査です。腫瘍、ポリープ、炎症、結石などは周囲の正常な組織と組成が異なるため、超音波画像では、正常な組織との境界にコントラストが生じます。そのコントラストから、異常が生じていることを見つける検査です。

アミノインデックス

アミノ酸は、身体の中でさまざまな新陳代謝のネットワークを作っていますが、病気になると、代謝のバランスが変化したり、血液中のアミノ酸濃度が変動したりすることがわかっています。この血液中のアミノ酸濃度を測定することで、健康状態や病気の可能性を明らかにするものがアミノインデックスです。

書籍のご案内

『和田屋のごはん』

和田洋巳 著
WIKOM研究所
定価(本体1,600円+税)

がんにならないように、
生活習慣病にならないように。
がん治療に携わる医師がおすすめする、からだが喜ぶ、おいしいごはん。

『がんに負けないからだをつくる』

和田洋巳 著
春秋社 定価1,680円(税込)

食生活の改善で体質を変え免疫力を高める。1000例を超える肺がん手術から見えてきたことを、具体例を交えて解説する。

『フィット・フォー・ライフ』

ハーヴィー・ダイアモンド
マリリン・ダイアモンド 著
松田麻美子 訳
グスコー出版 定価2,205円(税込)

果物・野菜などの植物性食品の積極的な摂取をすすめ、肉・魚・卵・乳製品などの動物性食品を控えることを提言する、全世界で1,300万部を売り上げたベストセラー。副題として、「健康長寿には「不滅の原則」があった!」と記されている。

『葬られた「第二のマクガバン報告」』上・中・下

T・コリン・キャンベル
トーマス・M・キャンベル 著
松田麻美子 訳
グスコー出版 各巻とも
定価1,890円(税込)

栄養学史上最大規模で行われた「チャイナ・プロジェクト」によって覆された常識の数々。「栄養学のアインシュタイン」と称される世界的権威が史上空前の疫学調査をもとに著わした、衝撃の事実。全米の医学界・栄養学界・製薬業界を震撼させた、歓迎されざるベストセラーです。

Copyright 社団法人 がんになりにくい体をつくる会 All rights reserved.